●スラビングの方法●


ジェム・カッティングは、作る作品の種類、形によって方法、用具、機材等も異なってきます。日本で採れる石は主にカボッション・カットに適しています。また、初心者がまず手がけるのもカボッション・カットですので、ここではカボッション・カットの作業行程(トリミング、グラインディング、サンディング、ポリッシング)を中心に述べることにします。
 スラビングは原石を両手で支え、まっ直ぐ、少し押し加減に切断します。この作業のポイントは、直線に切断するということと、石をダイヤモンド回転刃に押し当てる際に強く押し当て過ぎないということです。
 切断途中で石が曲がったり、がたついたりすると刃が欠けたりします。また、強く押し当て過ぎると、回転刃のダイヤモンド粒が脱落したり、回転がストップする原因となります。というのも、石を切断するといっても、正確には石をダイヤモンド回転刃についているダイヤモンドの粒で削り取っているにすぎないからです。
 小さなダイヤモンド回転刃で大きな石を切断すると、刃が曲がったり、折れたり、また回転がストップしますので、くれぐれも注意して下さい。
 ダイヤモンド回転刃は、長く使っているうちに、ダイヤモンド粒が徐々に脱落し、切断効率が落ちます。切れが悪くなったなと感じるようになったら必ずドレッシング(整形)するよう心がけて下さい。ドレッシングの方法は、ダイヤモンド回転刃を回転させながら古い砥石を当てながら行います。
 石を切断する際に摩擦により高熱を発します。ダイヤモンドは650度位の熱で酸化してしまいますので、切断するときは、必ず水あるいは専用の切削液を切り口に注ぎながら切断して下さい。