●スラビング(大割り切断)について●

原石を研磨し易いように、適度な大きさに切断することです。スラビングは、原石の大きさにより、その方法も機械もいろいろあります。
 1mを越すような大きな原石の切断には、ワイヤーソー(鋼鉄線)を使用する方法がありますが、これは趣味としてジェム・カッティングを行っている人には、それほど関係はないでしょう。
 両手で持てる程度の石であれば、10〜36インチの大型ダイヤモンド回転刃で切断します。しかし、このサイズの切断機を所有している人は少なく、専門の業者に依頼するとよいでしょう。
 また、大きな石を切断する方法として「弓のこ式切断法」もあります。これも石の専門の業者が行っている切断法で、一時に何枚もの石を切断することができ、コストが安いという利点がある反面、切断所用時間が長いという欠点があります。
 次に、こぶし大の石であれば、8〜10インチのダイヤモンド回転刃を使用します。また、小さくて、高価な石の場合は4〜6インチのダイヤモンド回転刃でスラビングします。
 原石の大きさと使用するダイヤモンド回転刃との関係については、次表を参考にして下さい。

宝石、貴石の切断に使用されるダイヤモンド回転刃の参考表
標準の外径寸法
外周のダイヤ部厚(ミリ)
適正使用回転数
標準的な切断可能厚(センチ)
用途
インチ
ミリ
4
100
0.2〜0.1
10,000rpm
1.5
高価石切断、再研磨等
4
100
0.3〜0.4
3,000〜5,000rpm
2
一般貴石、宝石のトリミング
5
125
0.4〜0.5
2,500〜3000rpm
2.5
6
150
0.4〜0.6
1,500〜2,500rpm
3.5

貴石のスラビング
トリミング

8
200
0.6〜1.0
1,500〜2,000rpm
7
10
250
0.7〜1.2
1,100〜1,300rpm
9.5
貴石のスラビング
12
300
1.0〜1.5
900〜1,100rpm
11.5
14
350
1.0〜1.5
800〜1,000rpm
13.5
メノウ、ジャスパー、ヒスイ等スラビング
16
400
1.0〜1.8
700〜850rpm
16
18
450
1.2〜2.0
650〜750rpm
18.5
20
500
1.5〜2.0
550〜650rpm
20
24
600
2.0〜3.0
500〜550rpm
25
ジャスパー、ヒスイ等スラビング
36
910
3.0〜4.5
300〜360rpm
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