●石をパーツに固定させる方法●
研磨された石のほとんどは、パーツに固定されて始めて完成した装飾品、つまり作品となります。
 パーツに固定させる方法は、大きく分けて、つめ止め式とはめ込み接着式とがあります。はめ込み接着式は比較的安易です。2液性のエポキシ樹脂のボンドをよく練り、それを石とパーツの双方に塗って貼り合わせます。その際、ボンドが外側にはみ出さないよう注意しなくてはなりません。ボンドが外側にはみ出した作品は見た目にもよくありません。
 つめ止め式になっているパーツに石を固定する方法ですが、はめ込み式より多少慎重にしなくてはなりません。まず、つめの内側をヤスリで削り、石のサイズとぴったり合うように調整します。次いで、つめ止めヤットコで石に傷をつけないように気をつけながら、つめを少しずつ倒して順次締めていきます。万一、つめに傷がついたら、フェルトパフ掛けで直します。
 つめ止め式、はめ込み式、いずれの場合も、使用している最中に石がパーツからはずれないようにしなくてはなりません。また、石をパーツのサイズに合わせながら研磨することがありますが、その際、パーツに摺り傷がつかないように注意しなくてはなりません。石合わせの際に、パーツの表面にセロテープなどを貼って保護して作業を進めるとよいでしょう。